column19 たんぽぽ❀
子どもの頃、家の隣に住んでいたおじいちゃんが大好きでした。
血のつながっていない他人でしたが、当時は今よりもまだまだ地域のつながりがあったように思います。
おじいちゃんは「(うさぎに餌を与えるために)たんぽぽを取りに行こう」とか、「竹で流しそうめんを作ろう」とか、子どもの私をおもしろい遊びの世界に連れて行ってくれる名人でした。
そして、私に見せてくれるやさしい笑顔が大好きでした。
自分の家にいるよりも、おじいちゃんたちの家にいる時間の方が長かったかもしれません。
また、私は小さい頃から変わり者で💦、幼稚園になじめない子どもでもありました。
人見知りが強くて、小食すぎて給食も全部食べられず、「みんなと一緒に」ができず、の子ども。
言葉の発達も、一般よりゆっくりだったのであろうと、言語聴覚士になってみて考えると思います。
給食のおばちゃんが大好きで教室を抜け出してよく遊びに行っていました。
幼稚園の先生に戻るよう抱っこされて、泣いている私を外であやしてもらっていたのを今でも思い出します。
(幼稚園の先生は優しくて大好きだったのに、先生たちの手を焼かせていたなと、今思うと申し訳ない気持ちになります💦)
でも、先生やおじいちゃんたちは、人と一緒にできないことについて何も怒りませんでした。
無理やり座らすこともしませんでした。
私のペースで待っていてくれました。
ただただやさしく、私という存在を認めてくれました。
やさしい笑顔、温かい手で私を守ってくれました。
私は今でも、辛くなった時、そのことを思い出します。
すると、今でも、心がじわ~っとあたたかくなり、泣いてしまいます。
だからこそ、ここまで生きてこれたと思っています。
なぜこの話を書いたかというと、先日「マイ☆レジリエンス ~一人ひとりの中にある力~」という講演会を聴きに行きました。
そこで虐待にあった、ある一人の女性の話から、先の私のことを思い出しました。
その人は、子どもの頃、壮絶な経験をしても隣の住人のおばあさんに「あなたは大切な人よ」と抱きしめてもらった記憶があるから、ここまで生きてこれたんだと言っていたというお話でした。
血がつながっているとか、関係なく、周りにたった一人でも分かってくれる人がいるということが、どれだけ人のこれからの人生に影響を与えるか、、、
どれだけ辛い経験をしても、過去は消えないけれど、それから先はどういう風にも変化していける、、、
そういうことを再確認できた出来事でした。
だから、今「周りになじめない」「人と一緒のことができない」で悩んでいる人がいたら、どうか自分を責めないでほしいと思います。
文化的にも、影響はありますが、同じことができなくても生きていけます。
発言力や発信力の強い人たちが、前に出ていけるような世の中の流れのように思いますが、それだけが正しいとかそういうことではありません。
自分だけの強みが必ずあります。
そこで悩めるあなたは、こころのやさしい人です。
どこかに必ず分かってくれる人がいます。
「希望のヒントはつながりの中にある」
講演会の中で、お話されていた言葉の一つです。
どうか、悲しんでいる子どもたちのそばに、そっと寄り添える大人が一人でもいますように・・・🍀
私もそういう人間でありたいと、常に思っています。
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